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近代建築の調査・報告


 明治政府の近代化政策により建物も西欧化しました。当時は近代化イコール西欧化で、
西欧文明の輸入が積極的に行われた時代でした。建築の分野を見ると、明治10年に英国
から建築家J・コンドルを工部大学校の造家学科(現在の東京大学建築学科)の教授に招
聘し、本格的な建築教育が始まりました。
 その結果、土と木と紙でできてきた我が国の建築が、煉瓦や石そしてコンクリート化し
て行きました。生活様式も座式から椅子式へ転換が行われて行きました。建築界では、
そのように我が国の転換期に当たる、明治期から大正、そして昭和戦前に建築された洋
風建築を近代建築と呼んでいます。
 しかし、我が国の近代化を支えてきた近代建築も、高度経済成長を通じて解体され建
替えられてきました。そのような状況から、日本建築学会では、1980年に全国に残され
ている近代建築を調査し、「日本近代建築総覧」としてリストアップしました。
 その後、バブル経済を経て、さらに建替えが進んだため、当会では、都内23区の近代
建築の残存調査を行うことにしました。その結果、20年間で60%以上の建物が建替えら
れていたことがわかり、2000年の日本建築学会大会で調査結果を発表しました。そして、
残されている建物のリストも掲載し、同年、地人書館から「東京の近代建築」を出版さ
せていただきました。
 そして、さらに10年後の2010年、再び調査をしました。その結果、30年間で4分の3
の建物が建替えられていたことがわかり、2010年の日本建築学会大会で調査結果を発表
しました。
 このように、近代建築は、徐々にではありますが確実に減ってきています。
 このような状況から、いかにして、我が国の歴史を支えてきた近代建築を保存するか
が問われていると思います。


 調査・報告等 履歴一覧(PDF書類) 

近代建築2010(1)近代建築2010(1).pdf
近代建築2010(2)近代建築2010(2).pdf
近代建築2010(3)近代建築2010(3).pdf
近代建築2010(4)近代建築2010(4).pdf
近代建築2010(5)近代建築2010(5).pdf
「近代建築データベース」広告近代建築データベース.pdf

2003年読売新聞
2003年産経新聞

2000年読売新聞
2010年読売新聞